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ついに、ついに見つけました。
本場の三角枕。
ものすごい数の三角枕が積み上がっています。
「かぁ〜、これが本場っすかぁ」
近くには三角枕の中の仕切りになる部分が積み重なっていたりします。
中にはおばあちゃんが一人。
Sakやみんなはなにやら話しているので、ここぞとばかりに
写真を撮ったり、奥のほうへ偵察に行ったりしていると、
なにやらみんなの反応がおかしくなってきました。
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ん?
Sak:「ここじゃないみたい。。。」
テンチョー:「マジすか?こんなにいっぱいあるのに?」
Sak:「ここは単なる倉庫らしい。次、行くぜ」
考えてみれば、人ん家に勝手に入って、歩き回ったあげく、
写真を撮っていたわけでありまして、いや、大変失礼をいたしました。
一旦車に戻り、また少し走りました。
すると今度は公民館のような、ちょっと村の家とは違う建物が
見えてきて、車はここで止まります。
Sak:「さあ、降りた降りた」
テンチョー:「あのぅ、アニキ、誰もいないんですが。。。」
Sak:「そうだな。どうすべ」
どうやら、ここが案内所みたいになっていて、
この村の三角枕を司っているところのようである。
中にはこれまた三角枕がたくさん棚に置かれている。
しかし、しかしだ。
鍵は固く閉じられ、人の気配はない。
行き当たりばったりで地元の人に助けれられ、ここまで来れたものの、
ついに万事休すになってしまうのか。
見渡す限り人の気配はない。
私たちは何もないへんぴな村で途方に暮れていた。。。
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最後の綱だった三角枕案内所が閉まっていて、
途方に暮れていたその時、
ボッボッボッボッボッ。
1台のトラックが来ました。
ん?
よく見てみると、三角枕がたくさん積まれているではないか!
すると中から人がわらわら出てきました。
うおー、こりゃ関係者っぽいね。
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「そこのおにいさま、三角枕の関係者でございますか?」
おにいさま:「ウイ、まさしく今行商から帰って来たところだ」
まだ運は私たちを見捨てていなかった。
テンチョー:「実は三角枕を作ってるところを見るために日本から
はるばるやってきたんです。見ることはできますか?」
兄:「あー、今は作ってないんだよね。1週間位前に言ってくれれば
なんとかなったんだけど」
テ:「マジすか。。。日本から来たんすよ。日本から。もう来れないかも
しれないんですぜ。アニキー、そこをなんとかならないすか?」
兄:「んー。。。。。。。。。。ちょっと待ってて」
仲間のおばちゃん達と相談してます。
兄:「わかったよ。ちょうど婆やが少し作ってくれるってさ」
テ:「ひょー、さすがアニキ。だてにしましまのシャツ着てないねぇ〜」
兄:「じゃ、車でついて来てくれ」
そして、数分走ったところのある家の前で車は止まった。
家に納屋が併設されている。
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ん?
よく見ると、すでにおばあちゃんが三角枕に綿を詰めている。
あまりにも景色に同化していてわからなかった。。。
「ど、どうも。日本から来たテンチョーと申します。あたくし、
この枕を日本へ輸入して売ってるんですよ」
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おばあちゃんは、無言ながらも、タイ人特有のあの笑顔で応えてくれました。
しかし、その笑顔には非常に深みがある。
その肌は日に焼け、しわには長年三角枕を作り続けた
プロのこだわりが刻まれていました。
「では、先生、お願いします」
テンチョーが作業風景をキャメラに収めようと、
キャメラを向けると、
おばあちゃんはしきりに服のみだれを気にし始めました。
うーん、おちゃめです。
まだまだ乙女心は20代。
そして、
どの角度に向けば一番ちゃんと作業風景がきれいに写るかを
しきりに考えてくれました。
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いよいよおもむろに枕の方を向き、
カポック(パンヤ)のたっぷり入ったでっかい袋から
一掴みのカポックを取り出すと、
シャッ、シュヒッ、ショー
あっちゅー間に
カポックを三角枕のあの小さな三角へと押し込み、
棒でググンと押して、
また、カポックを出して、棒で押して。
はい。
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これは以前三角枕の綿詰めを自力で挑戦したことのある
テンチョーからいいますと、
は、早い!
しかも型崩れしてないし。
さすがプロだなぁ。
通常、まず綿を取り出すのに、綿がもわもわして
なかなかうまく掴めない上に、
詰めてもうまい形にはなりません。
しかも、周りでは皆好き勝手にワイワイガヤガヤやっているにも
かかわらず、
まったく変わらぬマイペースぶり。
きっと、三角枕を作ってウン十年なんでしょう。
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わたくし、日本で一番三角枕の梱包をしている自信はありますが、
こりゃ、弟子入りする必要がありそうです。
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しばらく見ていると違うおばちゃんに呼ばれました。
第四章『落とされた実』編へ
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【番外編】
これは、日本への輸入が禁止されている「イネワラ」です。
カポック(パンヤ)の代わりにイネワラを使うと、
コストが安く、芯が硬い三角枕になるんです。
イネワラで形を整えたあと、隙間にカポックを詰めると
ほんの少しのカポックで1個の三角枕が出来上がりますね。
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タイ現地の三角枕には、こんなにギューギューに
イネワラが詰められているんです。
日本へ三角枕を持ち込む際に、このイネワラが
入っていると、空港で没収となってしまいますので、
注意して下さいネ。
参考資料(pdfファイル)
http://www.pps.go.jp/trip/oversea/leaflet/thai_leaflet.pdf
農林水産省 植物防疫所ウェブサイト
http://www.pps.go.jp/
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